シカゴのマーチャンダイズビルで毎年6月に開催されるネオコン(NEOCON)という大きな展示会があります。(これは現在まで毎年行われています。)これは、家具類や、建築の内装材関連の総合展示会です。世界各国から建築家、インテリアデザイナー、各種の資材メーカー、家具問屋、商社などが、最先端の技術やデザインを仕入れるために訪れます。もちろん、関連する業界の業界紙の関係者(記者たち)も取材に訪れます。毎年6月になると各国から通ってくる記者たちは、5、6年もたつとプレスルームの中に多くの顔見知りができます。顔見知りは記者仲間だけでなく、出展しているメーカーや問屋や商社の人たちとも顔なじみになってきます。
1988年、このプレスルームで展示会の主催者が用意してくれた昼食を食べているとき、ドイツから来た記者の一人が、
『記者仲間諸君、毎年ここで皆さんに会うのはとても楽しい。私は、これを大事にしたい。そして、皆さんとの関係をこの場だけでなく、一年中いつでも保っていくことを提案したい。』ani-
と切り出しました。ルーム内にいた記者たちは一瞬きょとんとしましたが、口々に『いったい何なのだ』とか『どうかしたのか』とかざわつき始めました。その中の中年の女性記者が『なにか面白そうね、早く話してよ』と、甲高い声で、ざわめきを収めたのを見計らって、ドイツ人記者が提案を続けました。
『ここ、シカゴでの取材は、年一度の楽しみに取っておくことにして、世界中の国で発生する業界の動きをいちいち出張して取材するわけにも行かない。しかし、少しでも早く情報を手にしたいという思いは皆さんも同じと思う。そこで提案だが、それぞれの国で手にした情報を他の国の仲間の情報と交換する仕組みをつくろうじゃないか。』
この提案は、大きな拍手で迎えられ、早速、どういう仕組みを作るのかを検討する有志が18人きまりました。この18人が設立メンバーとなって、Press Mens'
Netが結成され、電話およびファックスやテレックスをつかっての情報交換が始まりました。( この時代は、まだインターネットが一般的ではありませんでした。)構成メンバーは家具業界、建築資材業界、建築業界などの業界紙や機関紙の記者たちでした。
その後、1996年にインターネットによる情報交換の場を作ることになり、シカゴにあった小さなプロバイダーのサーバーを買い取り、ドメイン名をOLFF.NETと
し、メンバーだけの閉鎖型ネットワークにしました。
1999年、アジアパシフィック地域( 日本、韓国、台湾、シンガポール、オーストラリア )を中心とした基地として、日本にインターネットサーバーを置きました。このときにOLFF.NETを開放型のサイトにすることにしましたが、業界紙関係の情報交換の場として、Press
Mens' Netをメンバー専用のサブサイトとして残しました。一般に公開されているスペースは、各種ボランティア団体、学校、協会、財団、及び 建設関連業のホームページの掲載にご利用いただいております。
2005年4月に財団法人としてのOLFFは解散しました。日本にあるサーバーは現在、NPO法人すぎとSOHOクラブの会員によって以前と変わらずに運営されています。
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